薬王堂気まぐれ通信使№822  2021-3-7
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

最近のGPS機能はよくできてますね。
家にいながらパソコン画面で小旅行が出来ます。
今まで車で走ってこの道には入れないだろう!まさかここに道が!と思う場所にも専用の自動車で入ってくれています。


Google Maps より


それに周囲の様子が一目でわかるように記録をアップしてくれている。
道路の周辺の植物なども判別することができて大変便利だと思います。
そんなGPS画面を見ていると「滝の観音」という行ったことのない場所に目がとまりました。
行ってみましたね。
途中の小さな道の案内は車のGPS誘導機能(カーナビ)に任せました。
先に近くにあるミツマタの群生地に行ってみました。
カーナビでは滝の観音に照準を合わせていましたので盛んに戻るようにと警告を発します。


ミツマタ群生地


虫居谷のミツマタは戦後、この地域で和紙の原料として出荷していた名残です。
満開には少し早い時期だったようです。
それでも日当たりのいい場所では立派な花を咲かせていました。


ミツマタの花


ミツマタを見た後、滝の観音を目指します。
GPSの誘導が無ければ通ることをためらうような細い道が続きます。
大土山から流れ出る滝がありました。
昔から地の人たちにはなじみの場所のようで立派なお堂が建てられていました。


滝の観音堂


ヤブツバキ・シキミ・スギ・ヒノキ・ユズリハアオキ・アラカシなど葉の有る樹木が目につきます。
葉はないが花の咲いた樹木がありました。
マンサクが黄色の花を咲かせています。


マンサク


この地方のマンサクは萼片が黄色のものが多くアテツマンサクと言われています。
流水の傍にある樹木はアブラチャンかと思われます。
ウバタマムシが石の上で息絶えていました。
滝の観音をあとにして通ったことのない道をGPSの示すとおりに走ってみます。


芸備線沿線に辿り着きました。
日当たりのよい鉄道のり面を観察してみます。


オオイヌノフグリ


カタクリやアマナは未だ早かったようです。
トキワイカリソウ
ユキワリイチゲ
ウバユリ
ジャノヒゲ
などが確認できます。

別名=ユキワリソウとも言われるスハマソウを見つけます。
スハマソウはミスミソウとも区別のつきにくい植物で判別が困難です。
毛の有るケスハマソウという種類もあり当地のものはケスハマソウであると専門家は言っていますが私にはわかりません。
ミスミソウとは葉の形が三枚で葉先が尖っていることから三隅草と呼ばれるとか・・
スハマソウの語源はよくわかりませんが、葉先が丸く洲浜形であるとか?
別名のユキワリソウは名前の通り雪の積もる時期に先ず花を咲かせる春告げ草(Spring ephemeral)であることからのようです。


スハマソウ


それにしても学名も複雑で示してみましょう。

スハマソウ=Anemone hepatica L.
ミスミソウ=Hepatica nobilis S.
ケスハマソウ=Hepatica nobilis S.

※ Anemone とはイチリンソウ類を総称し学名に用いる時にはイチリンソウ属を示します。
  Hepatica とはミスミソウのことをいい学名に用いる時にはミスミソウ属と定義されており分かりづらいものとなっています。

学名の標記法も多様で分かりずらいものです。

スハマソウとしておきましょう!
この地域のスハマソウは葉先の丸いもの葉先の尖ったものなどありました。
花びらに見える部分は萼片で白いもの雄紅色のもの柱頭に色のついたものなど変化に富んでいます。
春の妖精を堪能した後に犬に吠えられました
繋綱が外れていたのが気がかりでしが睨みつけて吠えかえしてやりました。
   ウ~ワン!
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